昨年9月 台風12号の襲来により甚大なる被害を受けた和歌山県南部。
しかし、災害復旧に対する支援と地元の方々の尽力により
少しずつではあるけれど、復興してきているという便りを聞き、
胸を撫で下ろすことができたような気持ちだった。
2012のGW
カヌーと南紀の川を愛する私たちにとって、
少しでも地元に貢献出来ることはないだろうかと思い、
今年のGWは熊野川ダウンリバーを計画したのであった。
出来るだけ地元で食材などの買い物し、お土産を買おう。
そして以前のような清流が戻ったことをカヌーを漕ぐことで
実感したいと思ったのであった。
出発の直前、5月2日。
太平洋側を中心とした5月としては記録的な豪雨が
再びこの地を襲う。
上昇する水位に避難勧告が出される。
あの悪夢が蘇る。住民の方々の不安に心が痛む。
翌日になっても熊野川の水位がなかなか下がらない。
仲間とも相談し、一時はカヌー・ダウンリバーを中止しようかとも考えた。
でも、9月の災害を被ったのは熊野川だけではない。
日置川や古座川も同様の被害を受けているのである。
水位の状況や現地の状況を考えて、急きょ古座川へと変更としたのであった。
5月4日 古座川・少女峰前の駐車場に集合したのは
tetsuさん、しかちゃん、ibexさん、チロルさんご夫婦、そして私・テカポ。
この日の朝の古座川の水位は通常よりも1.0~1.5mほど高い状況。
やや笹濁りながらも浅瀬では川底も見えている。
流れの勢いは十分あり、トロ場でも時速4km程度で流れているようだ。
ただ、古座川観光協会のHPによると、
明神橋より上流は災害復旧による河川工事のためレンタルカヌーの
ダウンリバーを中止しているとのこと。
我々もそのルールに従い漕ぐとすれば、明神橋~河口までの6kmほどしか漕げない。
ならばと思案してみると、支流である「小川(こかわ)」が漕げるんではないか・・・
小川は通常水位ならフォールディングカヤックで漕ぐのは困難な川。
水量が少なく、船体布を破いてしまう恐れがあるからだ。
でも今日の小川は水量たっぷり。
早朝現地入りした私は下見に車を走らせ、1~1.5級の程よい瀬が随所にあるのを確認。
AM12:00 いよいよ小川・初ダウンリバーは柿太郎廻りの下流にある山手から開始だ。
photo by ibex-san
古座川本流よりも水の透明度はあり、快適な1級の瀬が続く。
今回初セッションであるチロルさんご夫婦も快調に下ってくる。
気持ち良さそうな河原を見つけてランチタイム
photo by ibex-san
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久しぶりのこの感触だ。
清流の流れ
頬を撫でる5月の風と
目に沁みこむ新緑
photo by ibex-san
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こうして再び南紀の川を漕ぐことの出来ることへの感謝。
色んな方々の力があって、川が戻ってきたんだろう。
川から見る風景には、まだあちこちの災害の爪痕が随所にみられるけれど、
人々の暮らしが戻り、そこを訪れる人が戻り、笑顔も戻ってきたんだと思う。
PM3:00 明神橋着。ここまで約3時間。流れはあるのでほとんど漕がずではあったけれど、
のんびりペースで下ってきたのでいい時間になってきた。
薪を集め、カヌーに積み込む。
本流も朝よりは幾分透明度が増してきたかな。
早い流れに早々にキャンプ地に到着。
串本の街で温泉・買い出しを済ませ、うす暗くなったキャンプ地へと戻る。
夕食はキムチ鍋。風が強く寒い今晩にはぴったりであった。
カヌーで運んできた薪を焚火台に乗せ、火が入る。
焚火台を囲んで、久しぶりのカヌー仲間との団らんに夜は更けていったのであった。
次回は、翌日に熊野川沿いを巡り、車を走らせ撮った写真を中心に
現在の熊野川の状況をご案内いたします。
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