槍ヶ岳Vol.1  長いアプローチ

tekapo

2011年07月27日 08:50

槍ヶ岳ストーリー  始まりは雨だった







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7月22日、深夜の東海北陸道。

時折ワイパーが動く中、5人を乗せたセレナは、

飛騨清見ICを過ぎ、案内板には「高山」の文字が大きく見える。

平湯温泉まではあと一息。

高速道路から一般道路に入り、道路は次第に山道となっていく。

平湯トンネルを抜け、右カーブを過ぎると、真っ暗闇の中に平湯温泉の街明かりが微かに浮かび上がる。

平湯温泉の街は霧雨が降っていた。




AM2:45 あかんだな駐車場に到着。

始発の上高地行きシャトルバスの時間まで少しの仮眠を取ろう。




空が少し明るくなってきたが、厚い雲は相変わらずである。

小雨の降る中、準備を済ませ、AM4:50 シャトルバスに乗り込む。

今年から上高地行きのバスは、ここアカンダナ駐車場が始発となり便利となった。

乗客は我々を含め15名程だろうか。




安房トンネル、釜トンネルを抜けて上高地までは30分で到着。

私が記憶している16年前と比べてずいぶん楽なアプローチとなったもんだ。

ターミナルはまだ30人ほどの登山者がいる程度。ここでも雨は降り続いている。

朝食をとり出発準備を行っている間に、バスやタクシーが続々と到着し、どっと登山者を吐き出していく。

たちまちターミナルは大賑わい。








AM6:00 出発








今回、槍ヶ岳への登頂にご一緒するのは、『スノピなCanoeClub』の仲間4名。

 ・o-papaさん&兄A君。我が家のご近所さんでもあり、今年で3年目のお付き合い。
  兄A君は今年中学2年生。山への想いは静かだが強いものがあり、それを支える脚力も
  大人顔負け。来年は受験生ですが、山岳部のある高校を目標としているとのこと。
  将来が楽しみですね、o-papaさん。


 ・シカちゃん。学生時代は山岳部だったそうですが、私同様長いブランクがあるとのこと。
  でも、その経験と知識は頼れる存在。


 ・LG-2さん。最近、湧き上がってきた山への想いが熱く、北アルプスのシンボルである槍ヶ岳を
  登ってみたいとの思いが共鳴しました。




6月からの3回に渡るボッカの苦しみにも耐え抜き、こうして出発地点である上高地へ

足を踏み入れることが出来た。

そして5人揃って山頂に立ち、再びこのターミナルへ無事に帰って

これることを祈りつつ、一歩を踏み出す。



河童橋   雨の早朝なので、人が少ない




photo by shikachan




小雨の中を歩いていく。






明神を過ぎ、徳沢に到着。






ホテルのように素敵な山小屋。

学生時代に、ここにベースキャンプを張り、仲間とともに北穂高へと登った思い出深い場所。



次の目的地の横尾まで3.9km 






横尾は涸沢との分岐。






晴れていれば目の前に迫りくる屏風岩は、上半分以上が雲の隠れたまま。






ここでルートは大きく2方向に分かれるが、槍ヶ岳へ向かう登山者はやや少ない様子。








photo by o-papa-san




今日のテント場予定地は「ババ平」。

無理をして行程を組めば、初日に殺生ヒュッテのテント場まで行けなくもないが、

北アルプスが初めての方もいるので、今回は安全策をとってババ平で1泊することにした。




横尾を過ぎるとルートは次第に狭くなり、山道らしくなってきた。







時折、槍沢の青く澄んだ水に目を奪われながら登っていくことも。







「槍見川原」 あいにく今日は全くその穂先を見せてくれない。




一の俣。







ここを過ぎると次第に勾配がきつくなってくる。地図で見るとそれほどでもないのだが、

梓川沿いの水平ルートに慣れた体には、ちょっとした登りがきつい。







次第に汗も滲む。着ているレインウェアも暑くなり、脱ぎだす。

もうこれ以上は雨も強くならないだろう。

AM12:00  槍沢ロッヂ着。












もうここまでくればババ平までは30分ほどだ。

テント場には水場とトイレしかないので、ここでゆっくりとしていこう。

ロッヂの中に入ると、ビールの文字が目に飛び込んでくる。

う~ん、ガマンできない・・・・



今日のランチはカレーライスとビールに決定!!





ランチ後すっかりとくつろぎ、ビールのほろ酔いも醒めた頃、重くなった腰を上げ、

最後の登りに取り掛かる。







長く感じた30分。



PM2:00  ババ平到着である。

ここのテント場はコースがその真ん中を通っているので、あまり雰囲気が良くない。

川原に降りてテントを張る。












こちらの方が槍沢も大きく見え、ローケーションは最高だ。





テントを張り終え、くつろいでいると・・・・「クマだぁ~!!」と大声で叫ぶ声。

見ると、ルートの上の方から20歳台くらいの登山者が慌てた様子で走ってくるではないですか。

o-papaさんと兄A君が様子を見に行く。私はテント場から槍沢全体を見渡すが・・・分からない。




しばらくするとo-papaさんたちが帰ってきた。

テント場から100mほど上流の右岸斜面を小熊が駆け上っていったのを目撃したそうである。

小熊がいたということは近くに親熊も必ずいるということ。緊張が走る。

笛を鳴らしたり、声を上げたりと、ここに人がいることを知らせる。

30分程が経過。様子は変わらない。安心は出来ないが、どうすることも出来ない。






PM5:00 お腹も空いてきたことだし、夕食準備をしよう。

匂いにつられて熊が襲ってくるかもしれないが、まあその時はその時。

肉を焼く美味しい匂いが周囲に漂う。う~ん、熊を挑発しているなぁ~







ビールにワイン、ウイスキーとお酒も美味しい~。ほろ酔い気味。

熊が襲ってきたらみんな全滅だなぁ~



明日への槍ヶ岳登頂を夢見て、夜は更けていくのであった。



「槍ヶ岳vol.2  勇壮なる姿」 に続く~








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