樹氷の花 満開 稲村ヶ岳改め大日山

tekapo

2011年02月20日 15:37

2月19日 春の気配漂う今日この頃、樹氷を求めて稲村ヶ岳へチャレンジしました。







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今年の大雪の影響で大峰山系にも多量の積雪があるようです。

天候のタイミングやアプローチの問題等もあり、
まだこの冬は大峰の山々には近づけていない・・・・


2月に入り、強い寒波の襲来も少しおさまってきた気配?

2月16日、南岸低気圧の通過に伴う春の雨が降り、気温も上昇。
大峰の山々の樹氷も完全に融けてしまったかと思ったが、
翌日は弱い寒気の影響と湿気を含んだ大気の影響で樹氷の生成には
ちょうどいい感じになってきた。


樹氷が見れるかも・・・・

しかし寒気による冷え込みは弱いので高見山や明神平あたりでは
あまり樹氷の期待は出来ないか。
ならば、この時期でアプローチが可能で標高1500mを越える山と言えば・・・


  「 稲村ヶ岳 」  しかない。


冬の稲村ヶ岳は初めてである。

山頂手前のキレット付近は岩壁下部の急な斜面をトラバースする部分があり、
ピッケル+アイゼンが欠かせないコース。
山頂へ辿りつくにはここが一番のネックになりそうだ。

小屋がある山上辻までは比較的多くの方が登っているようなので、
せめてここまで登っていけたらなぁ~って思いで山行を決定。


山行決行当日、自宅を出ると外は程良い冷え込みと一面の星空。

「いい山行になりそうだ~」


母公堂にはAM7:00着。狭い駐車場にはすでに4台の車があり、
なんとか一番奥のスペースに車を押しこむ。

スノーシューも積んで来たがほとんど降雪の様子もないので
車へ置いて行こう。

AM7:20出発。

杉林を登っていく。
50分程で法力峠着。






雪面は降雨の影響で所どころで固くなっているので、ここでアイゼンを装着。


ここからは落葉した広葉樹の明るい尾根の南側をトラバース気味に
高度を稼いでいくルート。






時折、陽も射し気分は盛り上がっていく。






廃小屋を越え、小さな尾根をひとつ越えると木々の間から稲村ヶ岳の雄姿が。





予想通りの見事な樹氷が出来上がっているようである。


太陽に煌めく樹氷が美しい





















空を仰ぐと真っ青な空に映える樹氷の白






太陽に反射した樹氷の光のシャワーを浴びているようだ。






標高が1400mを越える辺りから樹氷も大きくなってきた。

それにつれてトラバースを続けるコースも険しくなってくる。

斜面に造られたコースを埋める雪。降雨により固くなり、
先行者のキックステップにより造られたわずかながらのトレースを辿っていく。


稲村ヶ岳小屋まであと少しというところで、突如トレースがなくなった。

その先は固くしまった雪壁。

どこへ消えた?


あたりを探すと・・・・

尾根までの斜面を直登しているトレースを発見!!

アイゼンの前爪を効かせて急な斜面を登っていく。


登りきったそこは・・・










小休止ののち、小屋を目指す。


AM9:50 稲村ヶ岳小屋着。ここまで2時間30分の所要時間。


小屋には先行者の3人組の方のみ



真っ白な樹氷と青だけの世界










小屋も雪に埋もれている






小休止ののち、山頂へのルートへ目を向ける。
ここから先はノートラックだ。






とにかくは行けるとこまで行ってみよう


ノートラックの尾根沿いは時折、膝下までズボッと埋まってしまうけれど
なんとかツボ足でも進んでいける。





大日山手前のコルへ到着。


さて、問題の大日山直下の岩壁下の様子を伺うと当然トレースがない。

そうしている間に後続の単独行者が続いて二人やって来られた。


その二人もピッケルは持っておらず、ここで引き返すという。

私も今日はここまでかと思い、写真&ランチタイムと決め込んだ。


見上げるとさらに成長した樹氷がびっしりと木々に付いている。

しかし、太陽が高度を上げ、カラカラと樹氷が融けて落ちていく音がしている。

急いでシャッターを切る。
















ラッセルでお腹もだいぶ空いたようだ。

真っ白な樹氷に囲まれて、極上のランチ気分。






目の前には手が届きそうな大日山のピーク






お腹も一杯になり、景色を堪能していると、3人組パーティーがやって来られた。


3人ともスノーシューにピッケルも装備しておられる。

トップの方と少し話をかわす。

私「いや~、もうここで断念です。」

トップの方「いやいや、まだまだいけるでしょう。」

などと話していると、

再びトップの方「ひょっとして正月に明神平に登ってはった方?」

私「はい、そうです。  えっ~偶然ですねぇ~  びっくり!!」


正月3日の明神平でヘロヘロになりながらも山頂までのラッセルを御一緒した

童子会の山童子さんであったのでした。


山童子さんの言葉に触発され、再び山頂を目指す。

山童子さん達3人の間に入り、私も大日山直下のトラバースへチャレンジ!!



ピッケルとアイゼンの前爪を固い雪面に叩き込み、スタンスを作りながら
歩みを進める。





緊張が走る。もし滑落してもそれほどの高低差はないかもしれないが、
それでも怪我は免れないかもしれない。

一歩一歩確実に確認しながら進んでいく。


なんとか難所をクリア。

後ろを振り返ると、こんな状態。






最大の難所は過ぎたが、まだ緊張は続く。






30分ほどで稲村ヶ岳と大日山との間のキレットへ到着。

ここから稲村ヶ岳までは夏道だと20分。しかしこの雪だと倍以上はかかるだろう。

帰りの時間が気になる。どうやら童子会の方も時間に制約があるようだ。



急きょ、行き先を変更。大日山を目指すことに。

大日山までは夏道で10分程の距離。


ここからは先頭を代り、私がトップを務める。

しかし、山頂までのルートは鋭く切り立った岩沿いを進んでいくため、
場所によってはピッケルを打ち込まなければ登れないような場面も。

前爪を効かせてつま先立ちで登っていく。ふくらはぎがきつい。


鎖場もあるが、肝心の鎖は雪の下。

アイゼンの前爪とピッケルだけが頼りの綱だ。


キレットから20分。大日山山頂到着。AM12:00ちょうど。






決して一人では辿りつけなかった山頂。

目標としていた山頂ではないけれど、達成感はきっと同じであろう。


山頂からの絶景


稲村ヶ岳山頂






弥山方面






樹氷が見事だ







童子会のみなさんはここで昼食ということで、一足先に下山する。

山童子さん また何処かでお会いしましょう。


来た道を慎重に戻っていく。

PM1:00 稲村ヶ岳小屋に再び戻ってきた。

ここで、ちょっとコーヒータイム。



最近購入したサーモスの山専ボトル800からは8時間経った後でも

コーヒーを飲むのに十分熱いお湯を保温してくれた。







帰りはすっかりとグズグズになった腐れ雪に時折足を取られながらも下山。

PM2:45 母公堂に無事到着です。






初めて足を踏み入れた冬期の稲村ヶ岳。

天候にも恵まれ、見事な樹氷を堪能できた。

残念ながら稲村ヶ岳山頂へは足が届かなかったけれど、満足感は十分。


ペテラン登山者との再会もあり、様々な収穫もあった。


ますます山が楽しくなってきた今日この頃です。






































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