8月5日 縦走最終日
今日もAM1:20に目が覚めてしまった。
目覚ましが要らないなぁ~
まずは外の天気が気になるのでテントから這い出ると、
東の空の北鎌尾根上に冬の星座・オリオン座が姿を現している。
今日もいい天気になりそうだ。
深夜のピンと張りつめた空気を吸い込むと体中に浸透していくようだ。
気温もだいぶ低いようで、フライシートには結露がびっしり。
AM3:10 三俣山荘出発
昨日と違って、月光が三俣蓮華岳に遮られているので、
ヘッドライトなしでは歩けない。
ガレ場も多くジグザクにルートが付いているので、
白ペンキのマークを見逃さないようにしなければ。
AM3:45 三俣蓮華岳と双六巻道との分岐を過ぎる。
そろそろ東の空が明るくなってきた。
昨日にも増して、赤く染まる空。
双六岳の上には月光に照らされた残雪が浮かび上がっている
急がないと三俣の山頂に着くまでに陽が昇ってしまう~
しかし残念ながら双六岳山頂には辿りつかず、手間の丸山辺りで御来光を迎える。
合掌
今日一日の安全をお祈りする。
オレンジに染まる山肌
雪渓に照り返えされる朝日
夜露に濡れたチングルマの果穂が輝きだす
今日も素晴らしいご来光に出会えたことに感謝
AM5:25 双六岳到着
西の空を眺めると黒部五郎岳と薬師岳
だいぶ遠くになったもんだ。
双六岳山頂からのルートは槍の穂先を正面に見据える天空トレイル
こんなにカッコいい槍が見られるこのトレイルを歩くことで、
最高に幸せな気分になれる。
その喜びを体で表現してみよう~
AM6:15 双六山荘着
早朝の小屋は出発前の人達で賑わっているようだ。
ここのキャンプ場もいい感じ
いつかは泊ってみたいもんだ。
弓折乗越へ向けて歩き出す。
左手には左俣谷。
ここもバックカントリーでは有名な沢だそうだ。
いつかはここを滑りたいなぁ~
振り返れば先ほどの双六小屋の向こうに鷲羽岳が大きく見えるのである。
左前方を見下ろせば、鏡平小屋と池が見えてきた。
残雪の上に浮かぶ槍と照りつける太陽
弓折乗越までの稜線は痩せ尾根となっている箇所もあるので注意です。
AM7:30 弓折乗越 到着
さあ、ここからは一気に高度を1500m近く下げていくのである。
ここまで膝の調子はいい。
最後までもってくれよ!!
AM8:00 鏡平 到着
ここからはお馴染み「逆さ槍」が見えます。
AM8:30 シシウドヶ原通過
小池新道を下っていく。
だいぶ高度を下げてきたようだ。
ワサビ平辺りの沢が見えてきた。
すれ違う多くの人。やはりここは人気のコースだ。
快調に降りていく。膝の痛みはない。
それよりも足の裏が痛いくらいだ。
AM9:50 ワサビ平 到着
沢の水に冷やされたトマトを発見!!
3日ぶりの生野菜、うまい~
こんなにトマトが美味しく感じるなんて
しばらく休憩していると、昨日、三俣山荘で出会った単独行の方と再会。
こうした出会いも山旅の楽しみのひとつだ。
少し休憩したお蔭で足もだいぶ楽になったようだ。
膝の痛みは全く感じない。
足の親指の付け根が擦れて痛いので靴擦れパッドで手当てを施す。
さあ、あと1時間ほどだ。
ここからは林道なのでもうゴールしたのも同然である。
左俣沢の両側に迫りくる山肌の景色を楽しみながら、歩いていく。
すると前方に見覚えのある姿。
昨日、黒部五郎岳辺りから姿を拝見し、三俣山荘との巻道分岐で別れた方だ。
またまた出会いである。
AM11:00 新穂高温泉 到着
無事に辿り着いた。
心配していた膝も全く痛みを訴えず、サポートタイツの効果は絶大である。
まずは温泉に入ろう~
山の汗を流し、疲れを取る。
湯船に浸かっていると、3日間の想い出が一気に蘇ってくる。
楽しかった思い出ばかりだ。
温泉での癒しに心も満たされ、充実感が押し寄せてくる。
すっかりリフレッシュされ、中崎山荘の温泉を後にする。
するとまたまた三俣山荘で出会った単独行の方と出会う。
二人とも笑顔で一杯だ。
お互いの喜びを共有し、労を労い、別れを告げる。
またどこかで逢えたらいいですね。
新穂高温泉から高山行のバスに乗り、
さらに高山から大阪行の特急に乗り込む。
帰りの便は電車がいいねぇ~
なんたって気兼ねなくビールが飲めるから~
特急に揺られ、旅の終わりを感じる。
PM8:00 大阪駅着
日常に戻ってきた。
そして旅の終わりである。
今回の山行は単独行としては初めての北アルプスであった。
でも寂しいなんて全く思わない。
山があって、出会う人がいて、感動がいっぱいある。
みんなが笑顔になれる。
困った状況ならばお互いが手を差し伸べてくれる。
そんな山が好きだ。
美しい景色にも感動した。
ご来光の瞬間にも感動した。
そして人との出会いにも感動した。
これが山旅なんだなぁ~と感じた3日間であった。
来年もまた来よう。
山に逢いに、ヒトに逢いに。
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