黒部「下の廊下」
昨日届いたモンベルクラブの会報誌「OUTWARD」を読んでいると・・・・
前号に引き続いて、辰野勇氏の「軌跡」のひとつ 黒部・下の廊下のカヤック初下降の記事がありました。
想像を超える水量、次から次へと続く滝とその落差 凄すぎる内容です。あまりここでは詳しくは語らない方が・・・
そんな記事を読んでいて、ふと昔、学生時代に行った下の廊下のことを思い出しました。
トップのこの写真、黒部ダム建設に伴い整備されれた道。通称「水平歩道」と呼ばれています。
標高1000m前後の等高線にそって作られており、黒部渓谷の水面からは200m~400mほどあります。しかしその道はほとんど断崖絶壁に造られたトップの写真のように岩肌をくり抜いた道。道幅は70㎝~100㎝。所々に鎖はあるものの、その足元は奈落の底へまっしぐらです。
歩いていても常に緊張感があり、体力的にはほとんど水平だからしんどくないけど、精神的なものがさすがに疲れたことを覚えています。
上の写真をよく見ると岩肌に水平の線が入っているのが見えると思います。これをもう少し近づいて撮ると・・・・
こんな感じです。手前の影になった岩肌の斜面がコの字にえぐれていて、そこに人(同行した友人です)が歩いているのがわかるでしょうか。
この部分をさらに拡大したのがトップの写真なのです。
さらにこの友人が歩いている手前部分をよくみると、わずかに白くみえる細い筋。この部分を拡大すると・・・
こんな桟橋道なんですねぇ。いまにも崩れそう・・・・
途中、合流するいくつもの沢は雪崩の巣窟であり、雪のない時期でもおおきなガレ場のため、この部分では沢の下をくぐるようにトンネルを掘ってあります。そのトンネルは100m~150mほどあり当然真っ暗。ヘッドライトをつけながら、足元には水が流れるなかを閉所恐怖症に陥りそうな気分を味わい、通過したものです。
こんな道が水平に13kmほど続きます。でもこのときは10月の紅葉真っ盛り。絶景に感動しながら、最高の天気に恵まれ、折り返し地点の阿曽原温泉では山頂がうっすらと雪化粧した北アルプスの絶景に包まれながら温泉に浸かり、友人と美味しい酒を飲んだことをいまでも鮮明に覚えているのでした。
あぁ~ またこんな山行をしてみたい~
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