ラッセル地獄 明神平

tekapo

2011年01月04日 10:07

明けましておめでとうございます

今年も「テカポの湖畔でコーヒーを」をよろしくお願いします。


新春早々の1月3日、奈良・台高山系の明神平へ行ってまいりました。






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例年なら正月はスキーに行っているのですが、
今年は娘が高校入試のため、おあずけ。

その代わりではないですが、新春トレッキングへ行こうと計画。

しかし、今年の年末年始は全国的に大雪模様。
奈良の山々もその影響は出ているようで、
情報によれば大峰・洞川へ向かう国道309号が通行止めになったり、
奈良・三重県境にある国道166号の高見峠付近も積雪50cmほどだとか。

当初、大峰・釈迦ヶ岳へ行こうかと計画していたのですが、
この大雪では途中の林道すら車が上がれない恐れがあるだろうと、
行き先を標高の低い明神平へと変更したのでした。

明神平といえば、先日発売になった「岳人1月号」でもbp-hiroさんの記事でも載っていましたね。

時間があれば記事でも紹介されていたヒキウス平あたりまで行こうかとも
思っていたのですが・・・・・


自宅をAM5:00過ぎに出発。

宇陀を過ぎるあたりから路肩にも雪が増えて、次第に路面にも雪が残っている。

東吉野村役場を過ぎたあたりからは、路面の雪は大きな轍を作るようになり、
早朝のため完全に凍結している状態。

大又のバス停を過ぎ、ここからは山へ入る車が少なくなるため
路面の雪の量も増してきます。

集落を抜け、先行車に追いつき、5分ほど雪道をゆっくりと走っていくと
もう1台、ジムニーが止まっている様子。
なにやら立ち往生している様なので、車を降りて様子を伺いにいくと、




積雪による倒木で完全に道路が塞がれてしまっています。
それも5~6本も連続して。

これではどうにも前には進めません。


しかたなく、ここから林道を歩くことに。
地図で確かめると「七滝八壺」のまだかなり手前。
林道終点の駐車スペースまでは3km弱。
現在地の標高440mほど。

AM7:15出発。





進むにつれて倒木の被害があちこちに見られます。
路面には鹿のトラッキングが残っています。
このトラッキングがのちのち役立つことに。

路面の積雪は30㎝ほどだったのが、歩みを進めるにつれ次第に増え、50cm~60cmほどに。




AM8:45 ようやく駐車スペースに到着。









なんと3kmの距離に1時間30分もかかってしまいました。
倒木の回避、スノーシューでの林道歩きにより思わぬ時間を食われたようです。

ここで一息入れていると、後続の方たちもやってきたようです。





まだこの先、林道終点まで通常なら20分程度かかります。
しかしここから先、雪の量も増えてくることに。

ここで鹿のトラッキングが助けてくれました。



鹿専用の獣道と化した林道には、何匹ものトラッキングが出来ています。
通常ならば足跡のみなのが、50cmを超える積雪のため、鹿の胴体部分で
押しのけたことによるトレールが出来ています。

これだけの幅があればなんとかスノーシューを履いた足でもなんとか通れそう。

それでも林道終点前にはその鹿トレールもなくなり、本格的なラッセルが始まりました。


後続の方が追いついてきます。

一息入れる間に先頭を交代してもらいます。




先頭を行く3人組の親子。そして単独の方。
そして私を入れた5人とで順番に先頭を入れ替わりながら、
雪で全く掻き消されたルートを探しながらラッセルをしていきます。


最初の渡渉ポイントでは岩が雪で隠れており、除雪をしながら足場を探します。

渡渉を2回繰り返し、右岸のルートを探しながら登っていくのですが・・・・

倒木により全く先のルートが読めません。

5人で手分けしながらルートを探します。

30分近くこの場所で時間を費やしたことでしょう。
後続の2人組の方とも共同でルートを開拓していったのでした。


その後、ようやく明神の滝に到着。




ここから見る稜線付近は我々の到着を待っているかのように青空が広がっています。
しかし、果たしてあそこまで辿りつけるだろうか・・・・  そんな不安が感じられます。

時刻は、AM11:30
なんと林道終点から2時間もかかっています。

ここからは雪の量も増えてきました。
ラッセルによる疲労も増してきます。7人ラッセル体制で10分を目安に先頭を交代。
10分間は息も絶え絶えの状態。大量の汗が顔面を流れていきます。

先頭ラッセル開始後10分が近づくと後ろから「先頭代わりましょう~」のお声が。
そして列から離れ、最後尾に付きます。
その間も皆さんから「お疲れ様~」のお声。




見知らぬ者同士が作る山での連帯感。
これが山の世界なんですね。
独りでは到底辿りつけないと思っていた山頂。
しかし、山を愛する者同士、一つの目標を目指して協力しあうという
この連帯感が最高に素晴らしいと思いました。


最後尾に付き振り返ると、




薊岳から続く稜線が白く輝いています。


時折コースを見失うも、7人全員が明神平のコースをよく知るものばかり。
コースを修正しながら、時折ショートカットしながらラッセルをしていきます。


見上げる斜面の向こうに青空が見えています。
そして小屋らしき建物も。

AM13:20  明神平到着です。

車を停めた場所から6時間もかかりました。


あしび山荘越しには青空が望めます。





南に目を向けると、




















西を望むと、金剛山、葛城山もはっきりと見えています。





東屋の下で堺の「童子会」の2人の方と、宮川村から来られた単独の方と
スノーテーブルを囲んでランチ。

ともにラッセルをした言わば仲間ですね。
こうした事は最近山へ行っている中でもあまりないことでした。
また、山の魅力、楽しみを再発見した気持ちです。


しかしゆっくりとはしておれません。
時間があれば明神岳でも行きたかったのですが、
時刻はAM2:20  下山です。

他の6名の方も一斉に下山を開始しました。


下りはラクチン~

時折シリセードでショートカットを繰り返します。

途中、明神平でテントを張るという2人組や3人組とすれ違います。
明日もいい天気になるといいですね。


ラッセルで苦労したルートをハイペースで下り、林道終点まで1時間、
車を停めた場所までは40分で降りていったのでした。


新春スノートレッキング  大雪でラッセルに苦労した明神平でしたが
見知らぬ山仲間との協力により無事山頂?までたどり着くことが出来、
今年一年の初めとしてはある意味思い出に残る山行となったのありました。









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